年 齢 | 60代 |
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性 別 | 男性 |
原発部位 | 左上顎癌 |
再発・転移 | 肺・左上顎 |
併用療法 | なし |
2009年8月に左上顎がんと診断され、同月から選択的動注化学療法(CDDP+DOC)を開始した。また、放射線療法(60Gy)を併用し、同年12月まで治療した結果、寛解(CR)と判定された。しかし、翌年8月のPET画像診断において左下肺転移を指摘され、同年10月に手術を実施した。
2011年1月に再発・転移予防の為、BAK療法を希望され受診した。同月のPET画像診断で左上顎に再発を指摘された。1回目のBAK療法の点滴を受けた後、同年2月に左上顎がん再発に対する手術を実施し、4月まで入院した。退院後、本人の意思を尊重し、BAK療法を月1回のペースで再開。同年5月BAK療法3回目実施後にPET画像診断で再発または炎症が疑われ、CT画像診断を実施。炎症の疑いとして経過観察となった。この頃から再発の心配で精神的に落ち込む状況であった。
2012年2月BAK療法12回目実施後のPET/CT画像診断において、再発・転移はみられず、精神的な落ち込みも回復した。状態も良好である為、BAK療法のサイクルを月1回から2ヶ月に1回と変更し継続した。2013年4月及び2014年5月のPET画像診断においても再発所見はなく、現在もBAK療法を継続している。
左上顎癌に対して化学・放射線療法でCRとなった後、1年で肺転移をきたし、手術を受け、その約半年後に左上顎癌再発となり、再度手術を受けている。担当医から、再発を繰り返す可能性は高い、と言われた状態で、他の治療との併用は行わず、BAK療法を開始。再発の不安、左上顎術後の嚥下・構音障害などにより、当院受診当初からしばらくは不眠、うつ状態で、笑顔がなく、仕事も休んでいた。しかし幸い再発なく経過し、徐々に患者様の精神状態が改善していった。現在、わずかに構音障害を残すのみで、仕事は通常勤務をしており、飲酒やゴルフ等も楽しむことができ、明るく活気に満ちた生活を送っている。
BAK療法にて、再発リスクの高い癌の再発予防、さらに、生活の質の回復と向上に貢献できたと思われる症例である。