クリニックについて

当院の免疫細胞療法の特色について

  1. 免疫細胞BAK療法
  2. ハイパーDC療法(最新の樹状細胞療法)
  3. NK細胞療法

上記の3種類を患者さんの状態により、それぞれの療法特性(メリット、デメリット)を考慮して単独または併用して治療します。

身体を守る免疫機能は、以下の2種類に分類されます。

  1. 全ての外敵に対応し攻撃する、生まれながら持っている自然免疫細胞(非特定)
    自然免疫細胞には、NKT細胞、NK細胞、樹状細胞、マクロファージが分類されます。自然免疫細胞は、自己の正常細胞以外は「がん細胞」を異物と認定し、「がん細胞」を攻撃します。
  2. 攻撃する相手を特定して攻撃する後天性の獲得免疫細胞(特定)
    獲得免疫細胞には、T細胞(キラーT細胞、ヘルパーT細胞)、B細胞が分類されます。獲得免疫細胞は、樹状細胞等が、「がん細胞」の特徴であるがん抗原の情報を獲得免疫細胞に伝えて、「がん細胞」を攻撃します。γδT細胞は、自然免疫、獲得免疫療法の特徴を持つ細胞になります。

免疫細胞BAK療法の特色

自己のリンパ球を増殖、活性化させる免疫細胞療法です。1クール12回として、患者の状態によって月に2回から4回の治療を通院で行います。(所用時間は1.5時間位)

特色は自然免疫細胞のNK細胞、γδT細胞を使用しています。 γδT細胞は、本療法の開発者である海老名卓三郎博士が世界で初めて「がん細胞」を攻撃することを発見し、現在は、東大医学部で採用されています。自然免疫細胞は、「がん細胞」を認識しなくても攻撃できる「絨毯爆撃攻撃」です。

  1. 自然免疫細胞のNK細胞、γδT細胞等を100億~200億個に増殖することで、圧倒的な攻撃力があります
  2. 獲得免疫細胞のT細胞が「がん細胞」を認識できず攻撃出来ない場合でも、自然免疫細胞は攻撃を行えます
  3. 免疫細胞を活性化する処理方法の特許を取得しています
  4. がん末期特有の痛みを和らげる効果があるとされています(エンドルフィン効果)
自然免疫細胞を使用する理由

獲得免疫細胞のT細胞を用いた免疫細胞療法(WT1ワクチンを用いた樹状細胞療法を含む)では、腫瘍細胞が増殖するにつれて、 MHCクラスI のHLA-Iが消失するとがん抗原のWT1やその他のがん抗原が発現できず(30%~70%) 、がん細胞が見つかりにくくなり、攻撃力が激減し、結果、治療効果が期待できなくなります。このような現象は、がんの進行が進んでいる患者さんに多く見られることから、自然免疫細胞を用いた療法を開発しました。

ハイパーDC療法(最新の樹状細胞療法)の特色

自己の「がん細胞」が必要(ホルマリン漬、パラフィン包埋)です。1クール6回として、患者の状態によって月に1回から2回の治療を通院で行います。(所用時間は20分位)

樹状細胞からの「がん細胞」の認識情報を伝えられた、獲得免疫細胞のT細胞を使用してがん細胞を攻撃する療法です。製造した樹状細胞ワクチンは、オーダーメイドで唯一のワクチンとして投与されます。

  1. 自己の皮膚組織を採取し、培養して多量(療法15回分位)の繊維芽細胞を製造します。繊維芽細胞と自己の「がん細胞」(ホルマリン漬、パラフィン包埋)から採取した全てのがん抗原を持った擬似「がん細胞」を製造します。がん抗原には、膨大な種類があり、個人でさえ、がん抗原の発現の仕方が違います。また、同一がん腫瘍の中のがん細胞でもがん抗原の発現の仕方が違うと言われています。わずか数種のがん抗原ペプチドを用いた樹状細胞ワクチンでは、T細胞に「がん細胞」全てを認識させることは不可能です。
  2. 採血した血液中から単球を培養し、樹状細胞を製造します。製造した樹状細胞と擬似「がん細胞」を使って全てのがん抗原をT細胞(CTL)に伝達し、「がん細胞」を攻撃させます。目標を確実に認識して「がん細胞」を攻撃する「ミサイル攻撃」となります。
  3. ワクチン接種と同時に、白血球の分化促進等のサイトカイン(IL12)を注射します。
NK細胞療法との併用理由

全てのがん抗原を発現させて、合成ペプチドを使用する通常の樹状細胞療法(WT1ワクチン)に勝る樹状細胞ワクチン療法ですがT細胞は、腫瘍細胞が増殖するにつれて、 MHCクラスI のHLA-Iを認識できなります。T細胞は、 がん抗原とHLA-Iを同時に認識出来ないと「がん細胞」を攻撃できません。獲得免疫細胞の欠点です。独自の培養技術により、NK細胞の純度を高めたNK細胞療法と併用することで、獲得免疫細胞の欠点を補い、相乗の治療効果が期待できます。

NK細胞療法(自然免疫細胞)の特色

NK細胞療法は、一般のNK細胞療法の欠点をNK細胞培養の新技術によって開発されました。
療法単独と、ハイパーDC療法との併用のいずれかで治療します。単独は、1クール12回として、患者の状態によって月に2回から4回の治療を通院で行います。ハイパーDC療法と併用する場合は1クール6回として、患者の状態によって月に1回から2回の治療を通院で行います。(所用時間は1.5時間位)
NK細胞は培養することが難しい細胞で、通常は、培養純度が40%~60%でしたが、NK細胞の選択培地を開発した事で純度90%の培養技術を開発しました。がん細胞の攻撃は複数のNK細胞によって行なわれます。したがって、NK細胞数が問題となりますが、限りある患者の血液量から、少数のNK細胞の増殖培・養技術は困難で、培養時の純度が問題でした。本療法は、NK細胞の培養純度が90%以上と非常に高く、NK細胞数が60億個以上に達することが、特色となります。NK細胞の培養には、50CCの培養血液と10CCの検査血液が必要ですが、ハイパーDC療法との併用の際は、獲得免疫細胞の欠点を補い、相乗の治療効果が期待できます。

NK細胞について

がん細胞」に発現するはずのMHCクラスIのHLA-I発現が低下したものに対してもNK細胞は攻撃することが可能です。NK細胞は、MHCクラスIのHLA-Iと結合するレセプターが発現しており、このレセプターからNK細胞の活性化を抑制するシグナルが伝わることが明らかにされました。NK細胞が活性化し標的細胞を殺すようになるか否かは、NK細胞に伝えられる活性化シグナルと抑制性シグナルのバランスによって規定されると考えられています。NK細胞が標的となる「がん細胞」をみつけて種々のレセプターを介して結合すると、活性化シグナルが伝えられ、「がん細胞」傷害に中心的な役割をになうことになります。「がん細胞」の細胞膜に穴をあけ、この穴を通って同時に分泌されたグランザイムが「がん細胞」の細胞質内に入り込み、アポトーシス(細胞死)に至ります。

自然免疫細胞(免疫細胞BAK療法・NK細胞療法)
獲得免疫細胞(ハイパーDC療法)の図式

用語説明

  1. 「がん幹細胞」とは
  2. がんを攻撃する免疫細胞とは
  3. 「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」とは
  4. 免疫療法BAK療法とは
  5. ハイパーDC療法とは
  6. NK細胞療法とは
  7. CTC検査とは

免疫細胞療法専門クリニック

東北大学病院地域医療連携施設認定書医療法人朱雀会きぼうの杜クリニックは、免疫細胞療法の総合クリニックです。患者さんやご家族みなさんの「きぼう」になれるようにと想いをこめて名前をつけました。
クリニックは、診療所部門と細胞培養センター部門で成り立ちます。治療や細胞培養の業務は最新技術の複雑な業務の為、独自のコンピュータシステムを構築して安全に努めています。
また、患者さんの状態をより正確に把握する為、大学等から検査学専門員を招き、患者さんデータのカンファレンスを行っています。
医療法人社団朱雀会きぼうの杜クリニックは、東北大学病院の地域医療連携施設に2009年2月から認定されています。

 

医師団紹介

院長 大久保 智行 先生

incho 1994年 弘前大学医学部 卒業
1998年 黒石厚生病院 内科
2008年 内科佐藤病院 医局長
2010年
~ 現在
きぼうの杜クリニック

医師 児玉 栄一 先生 (現歴)東北大学(教授)
医師 真所 弘一 先生 (現歴)医療法人社団初心会

クリニック部門

クリニック側面 クリニック正面 受付
待合室 採血室 点滴室

培養施設紹介

生物製剤研究所
(BRI:Biologics processing Research Institute)

生物製剤研究所(BRI)は、きぼうの杜クリニックの細胞培養センター(CPC:Cell Processing Center)部門です。
細胞培養センター(CPC)は、厚生労働省令(GMP)に準拠し、常に清浄度を高いレベルで保ち、患者さんの細胞を安全に培養する為の専門施設です。免疫細胞を培養するには、細菌やウイルスによる感染や異物混入を防がなければなりません。

徹底した管理により、安全性・品質を確保します

細胞培養センターは、清浄度を保つ為、空気清浄装置を24時間稼働させ、空気中の細菌やウイルス、微小粒子を高性能フィルター(HEPAフィルター)で取り除いています。内部は、清浄度が区域ごとに異なり、細胞を調製するクリーンベンチが最も清浄度が高く設定されています。また、各部屋の室圧をコントロールすることで、空気の流れをつくり清浄度の低い部屋から高い部屋に拡散しないようになっています。そのため、細胞調製室の出入口は別になっており、【脱衣室】→【更衣室】→【前室】と段階を経て入室し、外部からの塵埃の持ち込みを防ぎます。

製造管理者紹介

略歴
昭和44年 東北大学医学部衛生検査技師学校 卒
東北大学医学部附属病院 勤務
昭和55年 東北大学医療技術短期大学 講師兼務
平成10年 東北大学医学部附属病院 検査部技師長
平成18年 東北大学医学部保健学科 教授
診療技術部長

製造管理者
医学博士 大久 良晴
(おおひさ よしはる)

細胞培養センター詳細

細胞調整室
培養、点滴バックの作製を行う部屋。温度・湿度・室圧が管理され、常に無菌状態を保っています。
クリーンベンチ
無菌状態を細胞調整室よりさらに高いレベルで維持する装置。細胞加工を行うスペースです。
インキュベーター
細胞培養に最適な温度・湿度・CO2濃度を常に保つ装置。細胞はこの中で培養されます。
オートクレーブ
洗浄・乾燥した備品を高温・高圧下で蒸気滅菌する装置。
ディープフリーザー
管理指針に従い、安全性確認のため、血液と点滴液のサンプルを一定期間保存するための超低温装置。
検査室
血液や培養液の無菌試験を行ったり、点滴バックに毒性(エンドトキシン)が含まれていないかを検査する部屋。
 
パスボックス
血液や点滴バックを受け渡す搬出入口。汚染の原因となる塵埃、菌の室内への侵入を防ぎます。
作業風景
培養技術者は防護服やグローブを装備し、安全性を第一に細心の注意を払って作業しています。
 

アクセスマップ

当院へのアクセス

  • 〒989-3212  仙台市青葉区芋沢字権現森山82-14
  • TEL:0120-898-834
  • 休診日:土曜日・日曜日・祝日

タクシーのご案内

仙台駅前タクシープールより…約20分(3,000円程度)
仙山線国見駅前より…約10分(1,500円程度)

平和交通株式会社 TEL:0120-60-0395

仙台市営バスご利用の場合

仙台駅前バスターミナル15番乗場より…約40分(片道390円)

大学病院経由「南吉成・国見ケ丘一丁目」または「南吉成・中山台・実沢」行き「南吉成5丁目」下車、徒歩約15分。
※注意:880系統です。870系統ではありません

仙台市営バスご利用の場合

仙台宮城ICより…約10分

  1. 仙台宮城ICから山形作並方面出口へ。
  2. 交差点を泉中央方面へ左折。
  3. 折立交差点を泉中央方面へ右折。
  4. 坂を登りきり右側にK’sデンキ、左側にENEOSガソリンスタンドのある交差点を左折。
  5. その後信号を2つ直進し、高速道路にかかる橋を渡った直後、左折。

情報誌「Liens」

情報誌のご案内

きぼうの杜クリニックでは、細胞培養センター部門である生物製剤研究所(BRI)より、情報誌「Liens」(リアン)を発行しています。本誌には、治療統計や事例報告のほか、免疫療法に関する最新情報など様々なテーマの記事を掲載していきます。

*「Liens」(リアン)はフランス語で「絆」、「繋がり」、またラテン語では免疫応答に重要な「脾臓」を意味します。医師と患者さん、BAK 療法との繋がりをより密接にしていく為の情報誌にしたいという想いから名付けました。

バックナンバー

特集号第7号(2016年3月発行)第6号(2015年2月発行)第5号(2014年10月発行)第4号(2014年8月発行)第3号(2014年6月発行)第2号(2014年5月発行)創刊号(2014年4月発行)

特集号

  1. 『がん』の根源(再発・転移の原因) ~がん幹細胞~
  2. 『がん』発症やがん再発・転移への対策
  3. 『がん』発症や『がん』の再発・転移を予見する最新の検査
    『がん』検出の新技術 CTC(血中循環腫瘍細胞)検査
  4. 『がん』と闘う方法 ~免疫細胞療法~
  5. 抗がん剤治療で根治できない『がん』の治療法
    『がん』治療『がん』予防の最前線は免疫細胞BAK療法


第7号(2016年3月発行)

  1. 治療事例報告: 『多発性肺内転移において効果が見られた例』
    『大腸がんに対して他療法と併用で効果がみられた例』
  2. Research Papers: 『血中循環腫瘍細胞~CTC~』
  3. がん・免疫療法に関する記事抜粋: 『微少がん検出のスプレー蛍光試薬を開発』
  4. シリーズ免疫細胞:『樹状細胞』
  5. シリーズ血液検査・臨床検査:『様々な臨床検査』


第6号(2015年2月発行)

  1. 治療統計: 『都道府県別受診割合』
  2. 治療事例報告: 『悪性黒色腫に対する効果がみられた例』
  3. Research Papers: 『「病は気から」の科学的根拠』
  4. がん・免疫療法に関する記事抜粋: 『がん免疫療法の開発促進へ 検討委が治験の手引案』
  5. シリーズ免疫細胞療法の比較: 『CTL細胞』
  6. シリーズ血液検査: 『血液検査でわかること』


第5号(2014年10月発行)

  1. 治療統計: 『2008~2013 リンパ球増殖倍率の分布』
  2. 治療事例報告: 『肺腺がん術後再発予防に効果がみられた例』
  3. Research Papers: 『笑いと免疫』
  4. セミナーレポート: 『8/23 東京~野口記念インターナショナル画像診断クリニック~』
  5. シリーズ免疫細胞: 『γδT細胞』
  6. がん・免疫療法に関する記事抜粋: 『がん生存率の検索システム改良版を公開-データベースを増強、30万症例に』


第4号(2014年8月発行)

  1. 治療統計: 『2008~2013 患者年齢別・性別割合』
  2. 治療症例報告: 『術後再発予防として効果がみられた例』
  3. Research Papers: 『がん幹細胞』
  4. がん・免疫療法に関する記事抜粋
    『iPS細胞誘導技術を用いて人工大腸がん幹細胞作製 – 京大と神戸大』
    『国立がん研究センターが、2014年のがん罹患数、死亡数予測を公開』
  5. 附説: 『「あんしガイドブック」の使い方』


第3号(2014年6月発行)

  1. 治療統計:『2008~2013患者ステージ別割合』
  2. 治療事例報告:『放射線・化学療法と併用して再発に対して効果が見られた例』
  3. Research Papers:『がんの免疫回避機構』
  4. シリーズ 免疫細胞:『第2回 NK細胞』
  5. がん・免疫療法に関する記事抜粋: 『大腸がんを抑える生理物質PGD2を発見』
  6. Q&A: 『検査結果にある『α1AG』って何?』


第2号(2014年5月発行)

  1. 治療統計:『年間培養件数・患者数の推移』
  2. 治療事例報告:『週1回の治療サイクルで著明な治療効果がみられた多臓器転移がんの例』
  3. Research Papers:『免疫細胞療法と放射線療法』
  4. シリーズ 免疫細胞療法の比較:『第1回 免疫細胞療法の始まり~多様化へ』
  5. シリーズ 医療機関紹介: 『第1回 きぼうの杜クリニック』
  6. 免疫細胞培養に関して:『増殖不良の原因について』


創刊号(2014年4月発行)

  1. BAK療法の治療効果
  2. 治療統計:『開院からの治療・培養について』
  3. 治療事例報告:『三大療法(手術・化学療法・放射線療法)を併用せずに効果が見られた例』
  4. Research Papers:『免疫細胞療法と化学療法』
  5. シリーズ免疫細胞:『第1回~がんに対する免疫機構~』
  6. がん・免疫療法に関する記事抜粋『今後が注目される治療法・新技術』
  7. 生物製剤研究所(BRI)紹介
  8. Q&A:『同じ血液検査の項目でも病院によって結果は異なるの?』