年 齢 | 60代 |
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性 別 | 女性 |
原発部位 | 肺腺がん・口腔底がん |
再発・転移 | 多発性肺内転移(口腔底がん) |
併用療法 | なし |
2005年に集団健診で肺の左上葉野に陰影を指摘される。その後、毎年の健診においても陰影が指摘され、2007年7月に県立がんセンターにて左上葉肺がんと診断され、手術(左上葉全摘、癌組織:9×9×5mm大)を実施した。その後は、6ヶ月毎に検診を継続した。
2011年3月頃から口腔に痺れを感じて食事も十分に取れなくなった。同年7月に検査入院したところ左口腔底に潰瘍が見つかり、口腔底がんと診断され、同年8月に手術(舌下腫瘍切除、癌組織:4cm)を行った。病理検査の結果、リンパ節転移は無いと判定された。同年9月から11月に、口腔に対して放射線治療(60Gy、30回)を施行した。2013年7月に右肺S6区域に転移がんがみられ、手術(右肺S6区域切除)を実施した。
2014年9月のCTで多発肺内転移(左様:1.3mm、6mm、右様:7mmの3箇所)がみられ、原発部位は口腔底がんであり、手術や放射線治療は不可能と診断された。同年10月に当院を受診し、翌月より2週に1回の治療サイクルでBAK療法を開始した。転移があるもののBAK療法初回の血液検査では、腫瘍マーカー(CEA,NSE,SCC)の値は基準範囲内であった。治療4回目の採血時にNSE値が93.4ng/mLに上昇したが、その後は基準範囲内で安定している。細胞の増殖は、血液より回収できる細胞数が十分にあり、毎回ほぼ100億個まで増殖している。
本例は術後多発性転移に対して腫瘍マーカーの維持及び畑仕事ができるなどQOLを良好に維持した例である。