がん幹細胞について

がんの再発・転移の根源~がん幹細胞~

再発・転移の主原因となる『がん幹細胞』が世界中で臓器別に発見されています

近年、がんの再発や転移は、「がん幹細胞」が主体となって起こるとの論文が数多くみられます。
「がん幹細胞」はがん組織中に0.1~1%程度という少ない割合で存在すると報告されています。
この「がん幹細胞」こそが、再発・転移の主要な細胞であることが報告されて、再発・転移の謎が解明されてきました。「がん幹細胞」は臓器別に次々と発見されており、「がん幹細胞」と増殖力の旺盛な通常の「がん細胞」に分裂します。別名「女王蜂」と言われる所以です。
その後、分裂で増殖された「がん細胞」は分裂・増殖を重ねて巨大ながん組織を形成します。
がん治療は、三大治療である手術、放射線治療、抗がん剤治療で対処してきました。
しかし、非常に高い確率でがんの再発・転移が見られて、転移の大半の患者さんが「がん難民」となっていることは周知の通りです。すなわち、三大治療法でがん細胞が見えなくなり、治療を終了した後に再発や転移によるがんが発見されています。世界中の学者が「がん幹細胞」は抗がん剤では死滅せず、生き残って再発・転移を繰り返す元凶であることが解明されました。あたかも、女王蜂が働き蜂や女王蜂を生み出す事で巨大な蜂の巣を形成する事に似ているといわれ、がん幹細胞はがんの製造工場とまで言われています。

図1 がん幹細胞とがん細胞
(引用:NHKクローズアップ現代 No.3404 2013年9月19日(木)放送)

赤色の『がん幹細胞』が、緑色の「がん細胞」を生み出しています。その後、がん細胞だけが分裂を繰り返し、数を増やします。

 

図2 がん幹細胞の治療抵抗性の原因
(引用:JST平成25年3月19日がん幹細胞の撲滅による新しいがん治療法の開発に成功)

がん細胞は増殖力が高く、次々に増殖を繰り返し、腫瘍を大きくします。ところが、「がん幹細胞」はある程度増殖すると休眠期間に入り、ほとんど増殖しなくなります。多くの抗がん剤は、がん細胞の高い増殖力を標的としている為、「がん幹細胞」には効果がありません。このため、抗がん剤によってがん組織の大部分を占めるがん細胞が死滅し、見た目上がん組織は縮小しますが、がん幹細胞は残存しており、再び増殖を開始して再発・転移が起こるのです。また、転移した臓器で「がん幹細胞」やがん細胞を含む組織を形成することも、がんの転移には「がん幹細胞」が関与していることを示唆しています。

 

図3 再発や転移のメカニズム
(引用:NHKクローズアップ現代 No.3404 2013年9月19日(木)放送)

抗がん剤投与後、がん幹細胞(赤色)は生き残り、再びがん細胞(緑色)を生み出します。
そのがん細胞が増殖し、再発すると考えられています。

 

がん発症やがん再発・転移への対策

早期発見と「がん幹細胞」の根絶

がん細胞は初期の発生時、「がん幹細胞」であると言われています。
健常者であれば、免疫細胞が「がん幹細胞」を死滅させますが、ストレス等の様々な原因で免疫が低下すると「がん幹細胞」は免疫細胞から逃れ、「がん幹細胞」と「がん細胞」を生み出し、「がん細胞」分裂・増殖を繰り返し、巨大ながん組織を形成します。
がんは原発部位のみで早期発見できれば、完治することも可能ですが、がん患者さんの多くは。がんが進行した状態で発見されます。このような患者さんでは、がん三大治療をほどこしても『再発・転移』が高い確率で発症する事は国の統計が示しています。『再発・転移』を起こしたがん患者さんの大半が医療から見放される「がん難民」なっています。

再発・転移への対策

  1. 早期に『再発・転移』を予見すること(CTC検査)
  2. 『再発・転移』の元凶である「がん幹細胞」を死滅させること

がんの診断に画像で確認できる「がん」の大きさは約7mm以上と言われています。
がんは10年かけてそのサイズに成長すると言われ、もっと早期での見えない微細な「がん」の検出が望まれていました。
近年、分子病理の検査の血中循環腫瘍細胞)検査(CTC検査)が開発されました。

米国では本検査は血液検査で唯一、がんの診断に認定されています。「がん細胞」や「がん幹細胞」の1個を血液中から直接検出する最新技術ですが、日本では日本遺伝子研究所によって本検査の最新技術が開発されました。
文献よれば、本検査が陽性の場合に、1年~4年以内にがんを発症する可能性が非常に高いとの報告があります。
また、抗がん剤では、『がん幹細胞』の根治は困難なことが近年証明され、自己免疫細胞を使用した療法であり、免疫細胞BAK療法、ハイパーDC療法、ハイパーNK細胞療法が有効とされます。