CTC検査について

CTC : Circulating Tumor Cells(血中循環腫瘍細胞)検査

画像検査で発見できない微細がんを検出する

進行がんや転移がんの患者では、がん細胞が血液中に入り、体内を循環していることが知られています。このようながん細胞を「CTC :Circulating Tumor Cells(血中循環腫瘍細胞)」と称し、CTC検査は血液中を循環しているがん細胞を「直接」検出する方法です。 がんの転移や治療効果の指標としてのCTC検査は、画像検査では見えない「微細がん」も検出可能なことから、分子病理検査とも呼ばれています。「再発や転移」の予見、超早期がんの発見に有効です。

 

微小流路デバイス法(Microfluidic Chip)

米国では、セルサーチ法によるCTC検査が微細がんの診断に有効である唯一の血液検査として認められています。微小流路デバイス法(Microfluidic Chip)は、セルサーチの欠点を補うために開発された検査法です。
米国Celsee社のPriya Gogoiらは 、ジョンズ・ホプキンス医科大学などとの共同研究と日本の「株式会社日本遺伝子研究所」が共同で新しいCTC検査ができました。
現在、日本の4ヶ所の医大とも共同研究となっています。従来法との比較結果は、CellSearch法の61%のCTC捕捉率ですが、新規開発した微小流路デバイス法では、94%という捕捉率を得ており、きわめて、高感度であることが示されました。

 
参考文献
  • PLOS ONE, January25, 2016, Volume 11, Issue 1, e0147400
  • G. Thomas Budd他:The New England Journal of Medicine, August 2004,351;781-791

臨床的異議

がんの「再発・転移」をいち早く予見できます。がんの発症を微細がんの段階で予見します。 CTC検査が陽性であれば、「再発・転移」を「1年から4年前に予見できる」可能性が高い検査であることが論文に発表されています。

参考文献
  • Marius Ilie他:PLOS ONE, October 2014,Volume 9,Issue 10,e111597

微細がんとは

がん腫瘍は、種々の画像検査で約7mm以上でないと確認が出来ません。
早期がんと呼ばれる10mm程の大きさに増殖するまでに約10年以上もの長い歳月を要するとい われています。 近年、がん腫瘍が2mm位からCTCが血液中に存在していることが報告されました。

CTC検査の考え方

がんは本来、上皮細胞の特徴を有しています。悪性度の高いがんでは、しばしば上皮間葉転換(EMT:Epithelial-mesenchymal transition)と呼ばれる現象が生じ、上皮細胞の特徴が失われます。CTC検査は、現存のPET、X線などの画像診断、腫瘍マーカーのPSA、CA125、CA15-3 に比べさらに早い段階でがんを発見する可能性がります。
上皮間葉転換 (Epithelial – Mesenchymal Transition:EMT)は、がん細胞は浸潤や転移するとき、上皮細胞としての形態や周囲細胞との細胞接着機能を失い、移動し、他の組織内に入り込む能力を得る「上皮間葉転換 (Epithelial – Mesenchymal Transition:EMT)」という現象を起こします。がんの「転移」と「再発」という、がん治療の最も重要な課題に深く関与する現象であると考えられています。
CTCを1個でも検出したらがん発症の疑い、がん転移の可能性があります。また検査において、がん細胞がなくても、臨床意義としては微細がんを100%否定することはできません。年に一回はCTC検査を受けることが大切です。

CTCの文献

  • Priya Gogoi他:PLOS ONE, January 2016,Volume 11,Issue 1,e0147400/Development of an Automated and Sensitive Microfluidic Device for Capturing and Characterizing Circulating Tumor Cells (CTCs) from Clinical Blood Samples
  • Marius Ilie他:PLOS ONE, October 2014,Volume 9,Issue 10,e111597/“Sentinel’’ Circulating Tumor Cells Allow Early Diagnosis of Lung Cancer in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease
  • Thomas Budd他:The New England Journal of Medicine, August 2004,351;781-791/Circulating Tumor Cells, Disease Progression, and Survival in Metastatic Breast Cancer